豊岡を貫流する、円山川

かつて ”コリヤナギ”は
川沿いの湿地に自生していました。

河川敷の整備などの様々な事情があり
現在、「使う分は育てる」ことで
産業が成り立っています。

分業が当たり前であった昔。

作業工程は格段に増えたため、
生産数には限りがあります。

0から生み出す。

より透明性の高い、
ものづくりの形を目指して

善いものを作り続けていきます。

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一年のサイクル...

春 〜 夏

梅雨明けとともに、グングンと伸びるコリヤナギ。
脇芽も増えていくので、まっすぐなスルっとした柳に育てるために、適宜芽かき(脇芽を摘む作業)を行います。
脇芽捜索隊としてしっかり汗をかきながら、夏場はよく畑を歩き回っています。
(脇芽が多い株は、あえてそれを伸ばすために芽止めする。)

新芽は虫たちの大好物。
成長を妨げないよう、殺虫・殺菌も行います。

たまに可愛らしい方との出会いも。

柳と共に雑草もグングンと成長するので、定期的に草刈りをする必要があります。
勢い余って、柳を刈ってしまわないように気をつけて行います。(これが難しい!)

気が付けば、手も届かないほどの大きさに。

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葉が落ちる頃、
いよいよ柳刈りが始まります。

一本一本、鎌で刈っていきます。
太いものだと直径2センチほど。体力勝負の一大イベントです。(終わったあとはいつも、数日間の筋肉痛コースです。)

刈り取り、切り口を揃えて束ね、
土に触れるようにして立かけ、冬越しさせます。

数えたことはないけれど、どれくらい刈ってるんだろう。何千本...?

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4月に入る頃、畑にも可愛らしい色が顔を出します。
柳にも"ねこ"がつき、新たな葉が芽吹きます。とても生命力が強いですね。

束ねた柳をバラし、横一面に広げます。
ずっと束ねたままにしておくと、葉が出てきたことで蒸れて、皮の下の白い部分に色がついてしまうんです。

ゴールデンウィーク前後から、皮剥きシーズンが始まります。
一本ずつY字の金具に通し、皮を剥ぐ。その動作を何千回と繰り返します。

柳がしっかりと水を吸い上げているので、剥きやすくなるんですね。

剥いた柳はしっかりとアクを洗い流し、乾燥させます。

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晴れた日は外で天日干し。
皮剥きが終わってから夏までそれを繰り返します。

十分に水分が抜けた後、ようやく材料として使うことができるようになるのです。

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このように
柳の ”刈り取り” ”皮剥き” の2大イベントと
日常の手入れを経ることで

質のよい材料が手に入り、
それが、よりよい製品の基礎となっていきます。

コリヤナギの花言葉は
「しなやかな心」

時代の流れにもしなやかに、柔らかく
対応していくとともに

粘り強い芯を持ちながら
成長していきたいものです。

工程などは、Instagramの方で少しづつ上げていきます。
ぜひ覗いてみて下さいね。

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